おはようございまーす
今回は声優や養成所について書きます
まず、前提として、どの芸能事務所・養成所でもそうですが
実力ではなく、信用商売です。
一昔前なら実力派(にやや偏った)パターンも存在していたのですが、とくに今だと、コンプライアンスやSNSの普及により不祥事で芸能事務所という会社経営が一夜にして終わるといったことが普通に有り得るので、かなり過敏になっています。
現在の養成所のタレント募集要項を見てみると分かりますが、大抵
”今の” ”ニーズ” ”人間性” ”社会人” ”マナー” ”礼儀”
などが必ず書かれています。 我が社は実力派だ! といった事務所は存在しません。
なぜかというと、理由は大きく2つです。
1.スポンサーがつかないから
例えば、ジャニーズや松本人志さんが最近だとわかりやすいですが、昭和の時代を牽引していた程の年数とブランド、コネがあるこのお二方ですら、ちょっとした事で地盤がぐらついてしまう時代です。
それを、どこの馬の骨かもわからない新人(からベテラン)のせいで事務所の命運が揺るがされるなんて、企業からしてみればたまったもんじゃないですよね
取り組んでいようといまいと、株式の世界ではSDGsアピをしていない企業は見向きもされません。
それと同じように、法律どうこうではなく世間に喧嘩を売らない、騒がせない人間であるかどうかが最重要なのです。
それを養成所の2,3年間で見極めます。
芝居というのは誰でもできますし、みなさんも一度は人生で行っています。
例えば、隠し事をする際、バレないように本当っぽく演技をします。
このことを ”一芝居うつ” といいます。
なので、芸術の世界は絵でもダンスでも、素養さえあれば年間n十万など払って講義(笑)など受けなくても実力があればすぐ所属できます。
(しかも、その講義をするのはだいたい、ろくすっぽ売れずに年数とギャランティだけが上がり事務所内で使えなくなってしまったお荷物を自社の養成所や専門学校で使うというなり損ない先生による講義)
しかし、それだけではいけません。
実力だけある人は確かに職人芸者です。 が、そういう人は皆さんも想像するに容易だと思いますが、非常に堅物で偏屈です(私もそう)
今の声優は職人芸ではなく、人気職(アイドル)なので、清純であれ、真面目であれ、誠実であれ 世間にとって都合の良い偶像 を求められます。
それをアピールできる信用を2、3年という中で勝ち取っていきます。
本当に実力というものがあるのなら、何年経とうが、養成所など経由しなくともそのまま直通できますが、そんな例はほぼありません。(おえらいさんとコネクションがあって直通する例も稀にありますが)
緒方恵美さんがベアボートという声優の中では数少ない事務所斡旋型(実際にどれくらい斡旋できたのか非公開ですが)の私塾というものを近年、開きましたが
わずか3年程度で閉じてしまいました。
やはり、あれぐらいキャリアのある方でも個人の力では限界があるのでしょう
それぐらい、業界のコネは強固なのです。
2.芸術の世界では”実力”は曖昧だから
実力って何でしょうか
例えば、歌の世界でいうと、日本の文化では紙(しょうじ)や木で創られた建築物が多く、高い声がよく聞こえます。
一方、イタリアでは石の家が多く、低音がよく響きます。
なので、日本で好かれる日本好みの味付けと、イタリア好みの味付けは全く逆です。
芝居の世界にも同じことが言えます。
実力というさじ加減は皆さんの中にあって、それぞれ全く別のものさし、価値観があります。
エレキギターとアコースティックギターはどちらが優れていると思いますか?
どちらも同じギターなのに別の楽器で、別の良さがありますよね。 それだけです。
数学のテスト界 というものがあったとします。
こちらは明確に点数差があります。 80点取った人は残り20点を 60だった人は40の勉強する伸びしろが、明確に数値化できます。
しかし、芸術はできません。 変に見えても見方を変えればその人の味 で終わりなのです。
これからなりたい という人は、是非 芸能界は 信用商売、コネクションのほうが重要であるという事実をもとにアピールしていくといいですよ